豆乳首ゴメスの嫁レボ!!

L2R ヒンデミット鯖の豆乳首ゴメスが嫁と言う名のラスボスと闘う日々を綴るっ!!

小豆乳首ゴメスが産まれたよ~後編~



新しい生活が始まり更新が遅くなりましたッ!!

豆乳首ゴメスです。

 

 

 

今回は前回の記事の続きとなっております。

 

本日は病院での手術と赤ちゃんとの対面について書いてみたいと思います。

手術のシーンなど人によってはグロテスクに感じる描写があるかもしれないので一応、先にお伝えしておきます。

 

 

 

~そして本丸へ~

エレベーターに乗り込む。

案内役の看護師さんが閉じるボタンを押してすぐにこう言った。

「帝王切開の手術はもう始まっています。ご主人はお子さんが誕生する数分前にお呼びしますので、エレベーター前の待機場所でお待ちください。」

 

僕は生返事だけ返しながら思っていた。

思えば僕は産婦人科に来るのは厳密に言えば今日が初めてだ。

かれこれコロナウィルスの影響は続き、今まで一度もこの病院の中に足を踏み入れたことはなかった。セックスで言えば先っちょだけ状態であり、もちろんそれは致し方のないことだった。

冷静に思い返せば、今まで曰く親身になってくれた助産師さんたちも今日執刀してくれるお医者様のことも名前も顔も知らないのである。いや、名前は一応見たし顔写真も見たけれど、そんなものには何の意味もない。

 

 

そうすると先ほどの看護師さんのセリフも怖くなってきた。

僕は僕の知らない人に僕のの腹を切り裂かれておりますと言い換えることも出来る訳だ。信用していないだなんてことはなく、むしろ感謝でいっぱいのはずなのに死ぬほど怖くなってきた。

生活の大部分をに依存して生きているゴメスなので、の死=自身の死とほぼ同義なのである。そのに対して知らないおじさんが生殺与奪の権利を全て握っている訳であり、それは即ちゴメスの生き死にを知らないおじさんが握っているということなのだ。

 

しかもそのことに関しては僕は既に承諾するという書面まで提出している。

なんだかそんなことが今更ながら怖くなり、つい数分前までは便意の所為で脂汗をかいていたのに今となっては恐怖で脂汗をかき始めた。

 

そんな恐怖に支配されていたからか、自分の子供が生まれてくるだなんていう事実についてのリアリティなどは一切感じなかった。

 

ただ、案内されるがまま辿り着いたペールトーンで統一された簡素な待合スペースで、ただ渡されたままの服を着用した。

 


f:id:mamechicbi:20210511172033j:image

 

 

・・・どこかで見たことがある。

・・・これは

 

 

 

・・・アレだ!!


f:id:mamechicbi:20210511173413j:image

給食当番だッ!!

 

 

給食当番のコスプレは不思議と落ち着いた。

面白いからカル美に送ってやろうと思った。

やっぱり「あんた、給食当番じゃないの笑」と予想通りの返事が来た。

わなわなとこみ上げてきた恐怖感は自身のアホみたいな緊張感もへったくれもないような見た目で中和出来た。

 

出産関連のツイートでもみんなに言ってもらったのだ。

旦那には何も出来ることはないからドーンと構えて行ってらっしゃい、と。

ここで不安な顔色をしてどうするゴメス

そう自分に言い聞かせていると看護師さんが僕の名前を呼び、その案内に従い、手術室の扉の目の前までやってきた。

 

 

この扉を入って、出てくるまでだけでいい。

その間だけいつものゴメスで居られますように!!

そう願って入室した。

 

 

 

~扉の先に~

開かれた扉の先には何となくしていた想像とそれほど相違のない景色が広がっていた。

手術台に横たわる、真剣な眼差しの執刀医、それを取り囲む数名の看護師さんと医療機器。

 

「ご主人はこちらの椅子へどうぞ。奥さんの手を握ってあげて下さい。」

言われるがままにそうした。

ふとの顔に目を落とすと涙を流していた。

あの鬼のようなだ。

怖いことなど一つもないと手術前も言っていたしそれが嘘でないことくらいは僕には分かった。

だったらなぜ泣いているのだろう。

既に執刀は始まっている。

痛いのだろうか。いやそんなはずはない。

仮にそうだとしたら痛くて流す涙にしては少なすぎる(うちの嫁ならあり得なくもない)

 

とすれば、どういう感情なのだろうか。

どういう声を掛けるのが適切だろうか。

大丈夫だよ、か?

いや、大丈夫かどうかは正直僕には分からない。

俺がついてるよ、か?

いや、僕がついていてもついていなくても多分結果は変わらない。

 

数秒間の逡巡の末、僕がひり出したのはただ単純な事実だけだった。

「来たでぇ、給食当番みたいな恰好で。」

 

の流した一筋の涙はマスクに吸収されてはフフッと笑った。

僕はきっとこれなら大丈夫だと安心してもう既に泣きそうになったけど、泣くとしたらそれは赤ちゃんが出て来てからだと何とか堪えた。

 

そんな決意も束の間、僕を椅子に案内した看護師さんが言う。

「もうすぐ出てきますからね!!旦那さん!!その席からは手術は見えないようにしていますから、急に立ったりしないで下さいね!!ご主人が怯えたり、大きな動きをしてしまうと手術の妨げになりますからね!!」

 

そういえばこれは手術室入室前にも再三言われたことであって、やはり開腹手術を目の当たりにすると相当に動揺する男性が多いらしい。その時はきっと例外もなく多分僕もそうだろうと思ったことを思い出し、予行演習が如く視線を嫁の顔からの腹の方に送ってみた。

 

 

 

 

~感動と戦慄の間~

 

 

・・・おかしい。

多分見えてはいけないものが見えている。

その・・・なんというか・・・

めちゃくちゃスプラッタな光景であった。


f:id:mamechicbi:20210511173428j:image

僕の小さな瞳のすぐ裏までやって来ていた滂沱の涙が引き潮の如く一斉に体内に戻っていくのを感じた。血の気と共に。

 

少し冷静に事態を分析してみた。

簡単なことだった。

は平均よりも身長が低く僕は平均よりも身長が高い。

尻に肉が付いたからか、それとも元々そうなのか僕は座高がとても高い。

病院は当然僕たちの身長差などは知りもしないので平均的な位置にシートを設置したまでのことだった。

ただもう手術も始まってしまっているし、手術中は動くな騒ぐなと散々言われていたのでゴメスはその件については黙っていることを決めたのであった。

 

 

そんな分析をしている最中に看護師さんが実況開始。

「もうすぐ赤ちゃんが出てきますよー」

そりゃそうである。既にお腹の中に手が入っているのだ。

赤ちゃんではないものが出てきてしまっては困る。

 

「もうすぐ頭が出てくるところですよー」

うん。知ってる。全部見えてる。言えないけど。

 

「はい!!もう数秒で全体が出てきますー!!!」

・・

・・・

・・・・ 

・・・・・見えたッ!!

 

その瞬間に聞こえてきたのは・・・

想像していたあの甲高い泣き声ではなく

めちゃくちゃドスの効いた

「おぎゃ↓↓↓↓おぎゃ↓↓↓↓」

という泣き声。

 

そしてその後を追うように聞こえてきたのは・・・

「アッハッハッハッハッハッハッ声低ッ!!」

というこれまたドスの効いたの笑い声。

 

 

ちょっと待て、処理が追い付かない。

赤ちゃんの声を聞いた瞬間に感動して泣くかと思った。思っていた。

でもその声を発する赤ちゃんと僕の間を遮るように横たわる腹を開かれた状態で爆笑する

正直今まで見たどんなホラー映画よりも怖かった。怖すぎて泣くかと思った。

 

でも確かに面白くもあった。

赤ちゃんにしては泣き声が低すぎる。

看護師さんは「多分喉にちょっと体液が詰まってるから」とフォローしている。

さながらタンが絡んだおじいさんが出てきた有様に確かに笑いもこみ上げてくる。

 


f:id:mamechicbi:20210511173437j:image

ごめんなさい。こんな時どんな顔したらいいか分からないの状態のゴメスに追撃。

赤ちゃんに続いて何かが出てきたのだ。

 

ゴメスは赤ちゃん誕生後に初めて声を出した。

「腸と肝臓ッ!?!?」

これが僕の父としての第一声だ。

 

看護師さんは破顔して答えた。

「大丈夫ですwwwへその緒と胎盤ですwwwwwwwww」

 

も大爆笑して言う。

「あかんwwwお腹痛いwwwwwwwwwwwwwwww」

 

ゴメスはまだ情報が処理できていない。

「え!?麻酔は!?」

 

はまだ笑っている。

「ちゃうわwww笑いすぎてって意味やわwww」

 

ゴメスの脳内は混乱を極めた。

「だったとしても、その状態でお腹抱えるくらい笑うのはまずいのでは・・・?」

 

 

こんなカオスな状況の中

顔色一つ変えなかった執刀医さんが小さくうなずいた気がした。

 

 

 

 

~この間わずか10分~

いやはや、女性というのはつくづく強い。

僕はと言えば見ているだけで気絶しそうだった。

多分、今まで生きてきて最も情報が押し寄せた瞬間だっただろう。

脳の処理は完全に置いてきぼりのまま、綺麗に拭いてもらった生後1分の豆乳首子メスが実感を全く伴わないままこちらにやってくる。

 

半分放心状態ながらも初めての親子の写真を撮る。


f:id:mamechicbi:20210511172202j:image

そして人生初の母子の為の写真係をこなした僕はその出来栄えを確認した。

 

の目からまた涙がこぼれていたことに撮られた写真をみてようやく気が付く。

この涙は笑いすぎて出た涙じゃないとすぐに分かる。

だからと言って、その涙の理由を僕が言葉にしたって陳腐すぎる。

ただ、今までに見たの表情の中でも一番綺麗だと思った。

 

 

 

まだ赤ちゃんが出てきた実感も湧かないし、手術が無事終わったという宣言もされていないし安堵もない。というか、なんだかでかいホチキスみたいなのでバチバチの腹がとめられていく。

だけれど、あれだけ嘘のように引いていった涙がまた体内から湧くマグマの如く混みあがってくる感覚があった。あぁ涙腺ダムが決壊してしまうだろうな。恰好悪いな。まぁでももういいや。

 

そうやって諦めかけた瞬間にゲームセット宣言。

「じゃあ赤ちゃんの体重を計りに行きましょう!!旦那さん!!」

 

僕は「えぇ!?えぇ!?」とマスオさんが如く奇声を発しつつ押し出されるように手術室を後にする。

呆気に取られている間にまたもや涙はどこかに引いていき、僕はいつの間にかあれだけ気合いを入れて開けた扉の外側に居た。

この間、わずか10分。

 

なんだか口がとにかくカラカラに乾いている。

看護師さんは言ってくれた。

「ご主人、ご立派でしたよ」

 

照れくさくて笑うばかりでやっぱり涙は出てこなかった。

 

 

 

~初めて触れる~

先程まで胎内に居た赤黒い人型の何かを抱えた看護師さんに「こちらへ」と案内される。目の前にはいかにも赤ちゃん用の体重計といった様子の機器があった。

さてさて件の体重測定が始まる。

もうここまでくれば体重は重ければ重いほうが面白い。

何せエコー検査では体重がカンストしていたのだ。
やっと僕にも腹を抱えて笑う番が回ってきそうだ、と期待に胸を膨らませて看護師さんの所作の一つ一つを見ていた。

 

「旦那さん、少し抱いておいてくださいね」

そんな不意の一言と共に僕の腕にやってきたのは恐らく僕の子。

なんだか僕に少し似ているし先ほど嫁の腹から出てくるところを文字通り全部見たのだから恐らくこれは僕と嫁の子。

僕の子・・・?・・・なの?

 f:id:mamechicbi:20210511172244j:image

写真を撮られても全然実感がわかない。

 

フニフニでホワホワで壊さないように必死だ。

ほっぺに触れるのですら怖くて出来ない。

硬直した両腕に乗っている推定豆乳首子メスを2秒ほど眺めていたら、いつの間にか子メスは看護師さんの手に渡り、体重計に乗っていた。

 

「3650gです!!大きいですねぇ!!」

張りのある明るい看護師さんの声に夢から現実に引き戻されるような感覚を覚えた。

 

「んぉ。そうでしたか!!ええ!!そうでしたか!!あ!!そうでしたかぁ!!」

そんなことを繰り返しながら僕は自分で自分が何を言っているのか理解できなかった。

 

恐らくまだ実感が湧かないことへの不思議さと、4キロ超えてたら面白いよなという期待感とそれが外れたことと、いや別に体重なんてどうでもよくてもっと抱きたいって欲望と、そんなことより手術終わったのかって心配と、先ほどまでの感情の余波とでもうゴメスは完全にキャパオーバーしてしまった。

 

取り合えずに体重の報告をしに行こうと来た道を戻ろうとした矢先に

「では、ご主人。お疲れさまでした。」

と告げる看護師さんの声。

 

余りに驚き「ファイッ」ともう終わりなのに試合が始まりそうな声を発してしまった。

 

看護師さんは言わなくても分かるくらい申し訳なさそうな顔をして

「コロナ対策が必要でして、申し訳ありませんが・・・」

と説明してくれた。

 

かたやゴメスは脳内がバグっているので

「んぉ。そうでしたか!!ええ!!そうでしたか!!あ!!そうですよねぇ!!アッハッはっハッはっハッ!!」

とまたもや無意味に繰り返しながら一人でエレベーターに乗り込んだ。

 

 

 

 

~帰路~

看護師さんに見送られ閉めるボタンを押したものの操作盤のどのボタンを押していいのか分からない。別にどの階にも行きたくない。でもそうもいかない。

 

気が付けば僕はつい先ほど、極上カル美元インドの僧侶とやり取りを繰り返していた玄関のベンチに座っていた。ここに居たって仕方がない。帰ろう。

には「聞いたと思うけど3650gだったよ」と、「最後は部屋に戻れると思っていたから言えなかったけど頑張ってくれてありがとう」とラインを送る。せめて自分の声で言いたかったな。コロナの所為でまだ心はどこか晴れていない。

 

産まれるまでに沢山の人に心配をかけた。

リネレボの仲間、リアルの仲間、親族、会社関係、ありとあらゆる方面に一先ず無事産まれましたと報告の文面と写真を送る。

ずっと携帯に目を落としてそんな作業をしながら、特に意味もなく1時間半以上離れた自宅へと歩いて帰っていた。

一人、また一人と報告を繰り返していくうちに、少しずつ実感が湧き始めたのだろうか。それともそれに対してすぐに自分の事のように喜んでくれる仲間たちの存在がそうしてくれたのだろうか。

なんだか、いつの間にか、嬉しくて嬉しくてたまらない気持ちになってきた。

 

ふと携帯から目を離して空を見上げると


f:id:mamechicbi:20210511172453j:image

いつの間にか空は死ぬほど晴れていた。

こんなに晴れたのはいつぶりだろうか。

 

 

その後、からも無事の報告の電話が入り、出産ツイートも投稿。

沢山の人から本当に心のこもったメッセージやお祝いを頂いた。

個人情報を含むのでそのお祝いたちはここには載せられないけど、手術の現場や出産の瞬間に流せなかった涙はここでやってきた。

自分から報告しておきながらその返事に嬉しくて嬉しくて泣いてばかりいた。

空はあんなに晴れているのに、いや、心ももうめちゃくちゃ晴れ晴れしているのに僕の手の中の携帯はビショビショだった。

 

と子供を迎えに行ったその日までのことはそういう嬉しいこと以外確かラーメンを自作しずっとそれを啜っていたこと以外あまり覚えていない。

 

 

 

僕はリネレボやそれを通して出会った人たちに

例えばそばに居られなくても、それに等しい気持ちで居られることや、それよりも強く人に支えてもらえることがあるってことを教えてもらった。

 

その昔、ネットでの繋がりなどは取るに足らないと思っていた自分のままだったらどうだったろうか。

きっとこんなにも喜びを分かち合えることはなかった。

遅かれ早かれ、自分の子を抱いて、その実感は得たことだろう。

でも“もしもコロナじゃなかったら・・・?”と脳裏を過ったに違いない。

コロナじゃなかったらもっと立ち合いが出来たのに。

コロナじゃなかったらもっと友達に見てもらえたのに。

コロナじゃなかったらもっと幸せを嚙み締められたのに。

きっとそう思ったと思う。

たかだかコロナくらいでその喜びの本質は変わらないと気が付けなかったかもしれない。

 

でも僕はリネレボのおかげで喜びを分かち合ってくれる友達も得ていたし、それを分かち合う手段も得ていた。今も現にこうしてこの溢れるような喜びを、このブログを通して共有してもらっている。

 

僕は本当に幸せ者だと、心の底から思った。

月並みな、小学生の読書感想文みたいなことを言うと思われたかもしれないけれど、今僕は本当に子供の頃のように純粋な喜びや幸せを感じられていると思った。

 

ゴメスより感謝を込めてこの記事を送ります!!

みんないつも本当にありがとう!!

 

 

 

 

次回は我が子が家にやってきてからのお話と

これから育児とリネレボやブログや色々な趣味をどういう風に両立していくかという計画について書くつもりですッ!!

 

 

またよろ乳首ーーーーーッ!!

 

 

 

~DJ給食当番(♂)本日の一曲~